つみきのいえ

評価: 
平田 研也
白泉社
¥ 1,470 
(2008-10)

アカデミー賞に輝いたアニメ「つみきのいえ」の絵本版です。
内容は同じながら、物語は少し変えてあります。
アニメは優しい音楽と寒暖の絵が人の深層心理に深く呼びかけるお話で、絵本も同じなんですが、文字と寒暖の絵と読む人のテンポで、アニメと印象が変わるように思います。

思い出が詰まった家が、つみきのように上へ上へと積み重なっていく。

それだけのお話なんですが、子供だった二人が結婚して、夫婦になり、子どもができ、学校へ行くようになり、大きく成長した娘が嫁いでいき、また二人になり、年老いて、おじいさん一人になる。

住む家もそれにあわせ、広くなり、立派になり、また一人暮らしに必要なサイズになっていく。
でも、思い出はそれぞれの家に残っています。
忘れていた思い出も、家々を眺めていると思い出していきます。
初めてそこに家を建てた想いも思い出もすべてがその土地にあります。
水に追いやられ、上へ上へと逃げていくしかなくても、この家には暖かい人の想いが詰まっているんです。
そして、住む人がいれば、そこには生が宿ります。タンポポが印象的です。

もちろん、住む人がいなくなった家は、水の底に沈み、思い出がそこで止まってしまいます。

本当に優しいお話で、一度はDVDか絵本を見てほしいと思います。
小さなお子様にはちょっと難しい内容かも。
5歳の甥っこは飽きてしまいました(苦笑)

切ないのは、アニメのほうが切なくなります。
おじいさんのちょっとした仕草が!
でも、一人になってもこんな感じに年を取れたら素敵だなと感じました。